時事ネタの記事と謳いながら、時事的に全然追い付けなくなっていますが…
今日はコレです💡
表現の自由、検閲の問題…等、法律畑出身者の頭をモゾモゾさせるキーワードに溢れたネタでございます。
しかしまぁ、今回はあまり“表現の自由“だの“憲法21条“だのという話にはせず、事の経緯を簡単に振り返りつつ、「なぜ中止に追い込まれたのか」について個人的な考えを述べたいと思います。
表現の不自由展、開催から中止へ
そもそも今回の「表現の不自由展」とは、「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展の1つ、「表現の不自由展・その後」として、8/1から開催されていました。
「その後」というのは、この「表現の不自由展」が過去2015年にも行われており、その時と同じ作品に加えて新たに展示不許可となった作品を加えて構成されたものだからなのだそうです。
予定では10月中旬までやるはずだった様ですが、相次ぐ抗議によりわずか3日間にして中止になってしまいました。
運営側の想定と誤算
イベント運営側の説明では、中止になった理由を「安全管理上の問題が大きくなった」ことがほぼ唯一の理由と説明していました。
ここまで過激な抗議が上がった理由とは、一体何だったのでしょうか…?
抗議の専らな理由は、今回追加展示されることとなった「平和の少女像」が原因だと思います。
※こちらの記事に新たに追加された作品のリストがありました。
↓↓↓
一方の主催者側は、下の記事を読む限り、当初「平和の少女像」よりも天皇をモチーフにした作品のほうが話題性が高くなるのではと予想していた様です。
恐らく、「平和の少女像」が原因でここまでの事態になるとは想定されていなかったことでしょう。
なぜ反対の声が上がったのか
私が考えるに、それは「平和の少女像」が持つメッセージ性です。
そもそも「平和の少女像」とは、従軍慰安婦像との区別がとても曖昧で、ほぼ同じものを指していると言って良いと思います。
(私がネットで「平和の少女像」と検索をかけると、トップに「慰安婦像」と出て来ます。
このことから、平和の少女像=(従軍)慰安婦像という認識は、正しいものの様です。)
そしてWikipediaによると、最初の従軍慰安婦像は日本と韓国との間にある従軍慰安婦問題の解決を訴える為に製作、設置されたものということを考えると、その製作、設置が従軍慰安婦問題と常に関連付けられるのも当然といえます。そして今回の展示も当然「設置」して行われた訳ですから、その展示行為が従軍慰安婦問題を想起する場になった、と解釈されるのも仕方なかったことでしょう。
しかしここで、私は別の問題が浮上した様に思いました。
従軍慰安婦像のそもそもの目的に関する齟齬
従軍慰安婦像は、それを設置することで日本政府に問題解決を促すことが目的とされていたはずです。それは製作者の意図でもあったはず。
もし仮に慰安婦像に対する全員の認識が上記の通りだったとしたら、今回の抗議活動や中止に追い込んだ一連の盛り上がり方は異常だといえます。
何故なら慰安婦問題の解決を目指すのは、日本の立場に立ったとしても国益に資するからです。隣国とのトラブルに真摯に対応し、隣国との良好な関係維持に努めることは、結局自国の利益の為にもなるからです。その為に慰安婦像の設置が役に立つなら、いくらでも設置するほうが良いといえます。
しかし恐らく、今回この抗議活動や展示会中止を支持する方々の何人かは、従軍慰安婦像の設置をその様に捉えていないのではないでしょうか?特にこの展示会をプロパガンダの一種と解した人にとって、従軍慰安婦像とは恐らく「反日の象徴」という捉え方をしていたのでは、と思います。
“日本は韓国人を利用して慰安婦というヒドイことを行った最低の国だ。この銅像の少女はその痛ましい被害者であり、かつ日本の残虐性の象徴である“
従軍慰安婦像をその様に解釈している人にとっては、この像は日本を貶める印象操作の為の道具であり、それが多くの人の目に触れることは不愉快極まりない、という認識になるのでしょう。
結局、従軍慰安婦像とは何のために存在するものなのでしょうか…
脅迫文送付の被疑者逮捕
一連の件について、脅迫文を送ったとされる50代会社員の男性が逮捕されたそうです。
正直、私は今回のことで警察が動くことはないだろうと予想していたので、この報道は予想外でした。
やはりどんな主義、主張だろうと、脅しという手段を選択することは憚るべきでしょう。警察がきちんと動いてくれたことは個人的にとてもほっとしました。
まとめ
私は今回の展覧会が中止に至ったのは、展覧会を企画した主催者側と中止を求めた人たちの、「平和の少女像」に対する考え方の違いが、大きな要因ではないかと思います。
そもそも何のための像なのか、皆さんも今一度考えてみてはいかがでしょうか?
今回はここまで。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。