英議会、EU離脱延期法案を可決 総選挙の提案は否決:朝日新聞デジタル
9/5付けの記事です。
イギリスのEU離脱問題が紛糾している様です。
この離脱延期法案が可決、成立することで、イギリスがEUから離脱するタイミングも更に延びることになります。イギリスとしては、とりあえず合意なき離脱による経済混乱を回避した形です。
今回はこの話について記事を書きたいと思います。
英国EU離脱問題、概論
え~ワタクシごときの知識量とまとめ力での総括になりますが
そもそも何でこんな紛糾しているのか、何が問題とされているのか
簡単に申し上げたいと思います。
…それは
ズバリ!「北アイルランド問題」の復活、です。
皆さん、是非お手元のスマホなりパソコンなりで、イギリスの地図をご確認ください。
国土の大部分を占めるブリテン島の他に、隣のアイルランド島の一部にもイギリス領があります。これが「北アイルランド」です。
そして北アイルランドを含むイギリスにはプロテスタント教徒に属する人が多い一方、アイルランド島の多くの人はカトリック教徒なのだそうです。
つまり同じアイルランド島の中にカトリック教徒、プロテスタント教徒が同居する形になっていて、以前は争いの絶えない土地だった様です。
それがEC(後のEU)発足後、スムーズな物流や経済の動きにより次第に落ち着きを取り戻したのだそう。
なればこそ、イギリスのEU離脱は北アイルランド問題を再び再燃させるのではないか、という懸念があるのです。
つまり、「このまま離脱するとまた北アイルランドでもめんじゃね?どーする?」という問題があって、未だに決まらない、ということの様です。
(ちなみに、EUは北アイルランドだけEUに残しちゃえば?と提案したのを、当時のメイ首相が「国が2つに割れちゃう」と反対したんだそうな。ただでさえ地理的に遠い北アイルランドだし、そりゃ不安なるよねとは思った)
私の疑問
ここで私が感じた感想を一つ。
何で離脱か残留かを決める選挙の時に、そこを詰めておかなかったのよサ??
てゆーか、国論を二分する様な政策を決める時にさ、そうなった後のことをどうするか、あらかじめビジョンを提示しておけば、こんなに揉めなくて済んだんじゃね??
と思いました。
これは別に、イギリスに限った話ではありませんが…
ある政策を「する」or「しない」を決定する際に、①その政策をするメリット、デメリットを比較して、②デメリットに対する対応策の有無、実現可能性を検討する
この視点って、すごく大事なんじゃないかな?と日々思っているところです。
少し話がずれますが、私は全ての物事において、メリットと共にデメリットがある、と考えております。
だから、国策にしろ自分の人生の進路にしろ、よくよく考えなければならない場面で重要視するのは、メリットとデメリットの確認とその対処法です。
離脱を決めたイギリスの国政選挙において、離脱派はこの問題に対して何らかの解答を持っていたのでしょうか?というか、何かしらのビジョンを持ってEU離脱の正当性を主張したのでしょうか?
一方、選挙で負けた残留派は、残留した時の問題点を解決する施策を提示する努力をしたのでしょうか?
あの選挙で離脱派が(僅差ながら)勝利を収めたのは、残留した場合のデメリットに対する不満が溜まっていたからだと思います。それはEUの深化に伴う自国の主権の希薄化かもしれませんし、もっと直接的な移民問題などかも知れません。
結局どちらの道を選んでもそれぞれデメリットはある訳ですから、私はよりデメリットにフォーカスして、デメリット対策を取ることが必要だったと思います。
終わりに
いずれにせよ、イギリスはEU離脱の道を歩くことは決まっています。とすれば、後は北アイルランド問題をどのように解決するかと、それがいつ決まるかということになります。
あるいは、離脱延期法案を繰り返している間に再投票を行えるように新法制定して、離脱についてもう一度選挙する…とかいうウルトラCもあるのではないかと、少し邪推してもいます。
本日はここまで。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。